自民党のメディアコントロールは巧妙だ

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 自民党は、メディアとの対峙の仕方を「慣れ親しみの時代」から、「対立・コントロール期」に変化させたと、著者は主張する。そうすることによって、メディアに自発的服従を強いているというのだ。

 自民党は賢くなった。野党は、その賢さにまったく追いついていない。それが、自民党の独り勝ちを支える重要な要因になっているのだろう。

 本書は、繊細なテーマを扱っているので、書きぶりが慎重で、分かりやすいとはいえない。しかも、著者が学者であるため、時系列で物事を記述していることが、さらに読み物としての楽しさを薄めている。

 だから、本書の「はじめに」を読んだら、次に後ろの方の章から読んでいくことをおすすめする。最近の出来事から読み進めれば、興味を保ち続けることができるからだ。

 ちなみに、本書では触れられていないが、リベラル派の私が、ある程度テレビでの露出を確保できているのは、バラエティ―に出ているからだ。★★半(選者・森永卓郎)

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