2015年の安保法審議の際、憲法学者が出した安保法案の廃棄を求める声明、SEALDsのデモなどを、民放では報道されたのにNHKは伝えなかった。
NHK自身が行った憲法学者へのアンケートでも422人中377人が「安保法制が憲法違反か、その恐れがある」と答えているのに、それを隠していた。安倍政権の露骨な介入などの影響もあるが、重要なのは職員採用の際、有名大学卒や大都市圏在住者が優先され、社会運動には近寄るなというアドバイスを受けることだ。中には、絶えず官庁・政府の側に立つ「お庭番」と呼ばれる記者さえいる。
元NHKのディレクターが、その保守性を内側から描く。(現代書館 2200円+税)