「やってはいけない歯の治療」斎藤正人著

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 歯科医院を受診すると、「この歯は持って半年なので、今のうちに抜いてインプラントにしましょう」などと勧められることがある。しかし、簡単に従ってはいけないと、“歯を抜かない”を治療方針に掲げる歯科医の著者は言う。

 骨にネジ状の棒を埋め込んで人工の歯をかぶせるインプラントは、保険外であるため歯科医院が手っ取り早く稼げる治療法。そのため、抜かなくてもいい歯にまでインプラントを勧める、“抜け抜け詐欺”のような治療が横行していると本書は警鐘を鳴らす。

「骨が残っているうちに歯を抜いた方が、インプラントが固まりやすい」というのも歯科医の常套句だが、歯槽骨という骨が残っているうちは歯を抜く必要などない。患部だけを取り除いて洗浄・消毒を行い、樹脂状の充填材で緊密に埋める根管治療を行えば、骨が再生して自分の歯を残すことができる。しかし、この治療には時間と技術を要し、何より儲からないため、やりたがらない歯科医が少なくない。

 すぐに歯を抜きたがる歯科医には要注意。歯科治療にもセカンドオピニオンを考えた方がよさそうだ。(KADOKAWA 1200円+税)

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