「腰痛は『動かして』治しなさい」松平浩著

公開日: 更新日:

腰痛には安静がいちばん”というのは、もはや昔の話。東京大学医学部付属病院の特任教授を務める著者は、骨折やがんなどの明らかな疾患が原因の腰痛以外には、「安静は百害あって一利なし」と言う。

 腰痛をかばって動かずにいると、筋肉が凝り固まって血行を悪くし、余計に痛みを増幅させる。さらに、痛みの恐怖によって脳機能に不具合が生じ、痛みを抑えるシステムが破綻するという悪循環も招きかねない。

 腰痛が治るまで安静にしていたグループと、活動させたグループを比較した調査もある。安静にしたグループは、活動したグループの3倍以上も腰痛再発のリスクが高く、再発回数も多く慢性腰痛に陥りやすいという結果が出ているそうだ。

 本書では、著者が推奨している「これだけ体操」も紹介。基本の体操は、足を肩幅に開いて両手をお尻にあて、息を吐きながら上体をゆっくり反らして3秒キープするだけ。治療のためなら10回、予防なら1~2回でOKだ。

 できる範囲で体を動かすようにすれば、“腰痛持ち”から卒業できるかもしれない。(講談社 780円+税)

【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が