「呼吸で10歳若返る。」白澤卓二著

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 アンチエイジング効果が高いとして、太極拳に注目が集まっている。ゆっくりとした動きにさほど効果があるイメージはないが、リンパや血液の流れが促進され、血管年齢を若返らせる作用が期待できるのだという。

 太極拳では、頭頂部から骨盤下の会陰まで体の中心を一直線にした「立身中正」が基本姿勢となる。そして呼吸は、吸うときにお腹をへこませ、吐くときにお腹を膨らませる「逆腹式呼吸」という武術の呼吸法を用い、血行促進効果が非常に高いという。

 この姿勢と呼吸に加え、もうひとつ太極拳の基本となるのが動き。例えばヨガの場合、さまざまなポーズを決めて体の動きを停止させる。一方の太極拳は、首も腕も腰も、常に止まらずゆっくりと動かし続けるという特徴がある。長時間体を動かし続けると呼吸が速く浅くなるが、太極拳の動きは低強度であるため呼吸が速くならず、体内にたくさんの酸素を取り込みながら体の隅々にまで血液を巡らせ、細胞を若返らせることにつながるのだ。

 本書では、簡単にできる太極拳の基本も紹介。「起勢(チーシー)」では、両腕を体の横に自然に下ろし、鼻から息を吸いながら4秒かけて手の甲を上にしてゆっくりと両手を前方に上げる。肩の高さまできたら、口から息を吐いて4秒かけて下ろす。止めずに3~5回繰り返せば、全身の血流が促進されるはずだ。椅子に座ったままでも、立って行ってもOK。ちょっとした空き時間に、太極拳を取り入れてみては。

 (ブックマン社 1300円+税)

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