「日本遺産に消えた女」西村京太郎著

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 可奈子が受け取った手紙には亡父・徹が詠んだ俳句が同封されていた。妻の明江をひき逃げ事故で失って以来、気力をなくした徹は、社長の椅子を弟に譲り、各地を旅していた。そして、半月前に旅先の山形で観光用の最上川下りの船から転落して溺死してしまった。

 手紙の送り主は観光船を営む会社の広報・後藤だった。徹の俳句に疑問を抱いた可奈子は後藤を訪ねる。やがて船着き場の投句箱に俳句を入れる際、徹に連れの人物がいたことが分かる。同じ頃、東京で私立探偵殺人事件を捜査中の十津川は、被害者が徹の依頼で明江をひき逃げした犯人を捜していたことを知る。(「最上川殺人事件」)

 ほか、紀伊勝浦や阿波鳴門など、日本遺産を舞台にした作品を編んだ十津川警部シリーズ傑作集。

(徳間書店 730円+税)

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