「長崎丸山遊廓」赤瀬浩著

公開日: 更新日:

 江戸時代、長崎の丸山遊郭は、他の都市の遊郭とは異なるもうひとつの役割を果たしていたという。対外貿易港として栄えた長崎だが、貿易によって動く大金は素通りするだけだった。ゆえに来日した唐人やオランダ人、そして全国から集まる商人の金を長崎の地に落とさせる役割を任されていたのだという。他の遊郭の遊女らとは異なり、高収入の丸山遊女もおり、町の人々にも遊女奉公自体への偏見や蔑視が少なかったそうだ。

 そんな丸山遊郭と丸山遊女らの実態を新たな視点で読み解く歴史テキスト。

 その起源から、当時全住人がキリシタンだった長崎で遊女屋が果たしたもうひとつの役割や遊郭の様子、遊女らの仕事ぶりなどを紹介しながら、地元の産業や文化に与えた影響までを考察する。

(講談社 1320円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方