第一話 倫理的にあり得ない(8)今まで放っておいたにのなぜ
「この依頼──」
お引き受けいたします、涼子がそう言おうとしたとき、ずっとパソコンを叩いていた貴山が横から話を遮った。
「どうしていまなんですか」
「え?」
香奈江が驚いた様子で貴山を見た。
「息子さんと離れてから、およそ六年が経っています。いま…
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