「疎外感の精神病理」和田秀樹著

公開日: 更新日:

疎外感の精神病理」和田秀樹著

 長年、精神科の臨床に携わる著者によると、問題を抱える人に共通するのが「疎外感」だという。彼らは、本音を聞いてもらったり、ありのままの自分を受け入れてもらったことがなく、本当の自分を知られたら嫌われるという恐怖があるそうだ。

 一方、これまで疎外感など経験したことがない人でも、レイプ被害や震災など、それまで信じていた世界が崩壊すると、人間や自分の運命を信じられなくなり、一気に疎外感に陥ることがある。

 また仲間外れをおそれ、本音を出せず、多数派に従ってしまう「疎外感恐怖」という病理もある。コロナ禍後も、皆がしている限りマスクを外せない心理もこれだ。

 こうした日本人の疎外感と疎外感恐怖について解説し、その解決法を示す生き方指南書。

(集英社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動