「横浜・彷徨の海殺人事件」梓林太郎著

公開日: 更新日:

「横浜・彷徨の海殺人事件」梓林太郎著

 冬の朝、松本署に農家から相談が寄せられる。家の前に初老の男が立っていて、問いかけても一言も話さないので、とりあえず家に入れて食事を与えたという。

 駆け付けた刑事・道原らが問いかけると、ようやく男は滝谷と名乗り、今は住所がないと明かす。

 署に連れ帰り、調べると滝谷が語った出生地には記録が残っていない。彼が以前働いていたという老人ホームに問い合わせると滝谷は現在70歳で、7年前まで働いていたという。

 さらに当時、ホームで入居者の所持金数千万円が消えるという事件があったことも分かる。滝谷を留め置く理由が見つからず、道原らは彼を解放して、尾行を始める。

 松本から京都、横浜、そして新潟、仙台と何者かから逃れるように移動する滝谷の逃亡劇を描く長編ミステリー。

(徳間書店 1078円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    やす子の激走で「24時間テレビ」は“大成功”のはずが…若い視聴者からソッポで日テレ大慌て

  3. 3

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  4. 4

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5

    阿部巨人が《もっともビビる》阪神投手の復帰でCS戦々恐々…Gナインに根付く苦手意識

  1. 6

    阪神・大山悠輔を絶不調に変えた根本原因…良かれと取り組んだオフの肉体改造が裏目

  2. 7

    兵庫パワハラ知事やコバホークも? 東大→官僚→政治家は“ピカピカの経歴”にあらず旧いタイプ

  3. 8

    やす子「24時間テレビ」での好感度上昇は諸刃の剣…早くも“イジリにくい芸人”になる懸念

  4. 9

    キムタクが迫られる「主役の座」からの退場…盟友からも“二番手”降格を提言される異例の事態

  5. 10

    神田正輝「旅サラダ」“有終の美”前に拒絶態度は変わらず…沙也加さん元カレ舞台中止で復帰は絶望的