(14)奪われた反物の値は全部で二百両
明かりの下で幸助の顔を見て、おしまは胸を衝かれた。憔悴しきって目がくぼみ、頬がこけていた。いつもは身ぎれいにしているのに、髭も当たらず、月代も伸びかかっていた。昼間の光で見たら、きっと顔色も悪いだろう。
おしまは幸助の前に座り、諭すように言った。
「ことの次第は乙…
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