「消費者と日本経済の歴史」満薗勇著
「消費者と日本経済の歴史」満薗勇著
戦後の混乱期、闇市には食料を求め消費者が押し寄せ、高度経済成長期にはテレビや冷蔵庫など新しい耐久消費財の登場に消費者は豊かさを実感。その後の石油ショックやバブル景気、そしてバブル崩壊後の長引くデフレ経済も、時々の消費者の姿とともに記憶されている。
消費者という言葉が広く使われるようになったのは戦後、特に1960年代以降のことだという。この言葉の広がりは消費者が「社会や経済を変える」ことへの見通しや期待と表裏一体で、消費者運動や消費者行政、そして経済政策や企業活動にもさまざまな影響を及ぼしてきた。
本書は、消費者から生活者、そしてお客さまと変遷してきた消費者を巡る言葉の使われ方に注目しながら、消費者と社会との関係を読み解く経済史テキスト。 (中央公論新社 968円)