「消費者と日本経済の歴史」満薗勇著

公開日: 更新日:

「消費者と日本経済の歴史」満薗勇著

 戦後の混乱期、闇市には食料を求め消費者が押し寄せ、高度経済成長期にはテレビや冷蔵庫など新しい耐久消費財の登場に消費者は豊かさを実感。その後の石油ショックやバブル景気、そしてバブル崩壊後の長引くデフレ経済も、時々の消費者の姿とともに記憶されている。

 消費者という言葉が広く使われるようになったのは戦後、特に1960年代以降のことだという。この言葉の広がりは消費者が「社会や経済を変える」ことへの見通しや期待と表裏一体で、消費者運動や消費者行政、そして経済政策や企業活動にもさまざまな影響を及ぼしてきた。

 本書は、消費者から生活者、そしてお客さまと変遷してきた消費者を巡る言葉の使われ方に注目しながら、消費者と社会との関係を読み解く経済史テキスト。 (中央公論新社 968円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動