快挙かヤラセかで大騒ぎだった猿岩石騒動
クルド分離独立問題で揺れるイラン―トルコ国境付近も、紛争や誘拐事件が繰り返し報じられる危険地帯。ヒッチハイクで越えられるようなルートではなかった。
そして帰国後間もない11月、バンコク―ヤンゴン、ヤンゴン―コルカタ、テヘラン―アンカラの3区間で飛行機に乗ったとスクープされた。番組では猿岩石が陸路のみで踏破したかのように放送されたため、発覚直後は「美談の大ウソ」など批判の声が上がった。これに日テレ側が「あの番組はドキュメンタリーではなくバラエティー、演出があってもいいじゃないか」と反発したが、「開き直り」と糾弾する声も出た。
ただ、猿岩石には擁護の意見が多かった。飛行機を使ったとはいえ、これ以上進めないという国境近くの町まではヒッチハイクし、戻って空路で国境を越えるなど可能な限り、ヒッチハイクで踏破していた。
そもそもミャンマーの国境が封鎖されているのは周知の事実。独自取材をせず、ゴール後にヤラセと騒ぐマスコミは後知恵との声もあった。ゲリラと政府軍が戦闘状態にある地域を歩いて移動するのは自殺行為。ズルして飛行機に乗ったのならともかく、同行する撮影スタッフに止められたら危険地帯をパスするのは当然。責められるべきは演出過剰な局の体質という意見もあった。