北野武映画で開花した”遅咲き”モロ師岡さんの俳優人生
1月に公開された映画「マエストロ!」や大ヒットドラマ「半沢直樹」(TBS系)などでおなじみのモロ師岡(56)さん。役者として現在の地位を築いた原点は、映画賞を受賞した「キッズ・リターン」。モロさんを起用した北野武監督(68)は最大の恩人だ。
「キッズ・リターン」がなかったら、ボクの俳優人生は花開かなかったんじゃないかというぐらい、お世話になりました。ボクが演じたのはもともと台本にない役で、もらった差し込み原稿にも“中年ボクサー”としか書かれていない。だから、エキストラのような役なんだろうなって軽く考えていました。
大学で演劇を始めたんですけど、コントやったり、プロボクサー目指したりしてました。35歳の時に「キッズ・リターン」の仕事(公開時は37歳)をいただいたんですけど、それまではVシネマが多くて、しかも、月1本仕事があればいい方だったんです。
武さんとは面識がなくて、“中年で、ボクシングができて、セリフがしゃべれる人”って条件で探していたそうです。
ある日、調布の日活撮影所で、衣装合わせをするから朝10時に来てください、監督も来ますって連絡が入ったからビックリ。武さん、ボクを見ながら「ちょっと日焼けしようか。ランニングシャツの跡つけて」とかって、念入りに打ち合わせをするんですよ。