(2)不登校2年…「成績が一番」という母親の価値観から抜け出せた
前回、多くの不登校の子どもたちを救ってきた小野幸子・さち臨床心理研究所所長の家族療法について触れましたが、今回はその具体例をご紹介します。
首都圏の公立小学校教師のMさん(27)は、中学時代の2年間、ほとんど学校に行かない生活を送っていました。
「母親からいい成績をとることが一番大切と言われ続け、小学校の時は優等生だった」というMさんですが、不登校のきっかけは成績不振。中学に入って間もなく、テストの点が悪かったことで学校を休むようになり、中学2年生の冬から本格的な不登校に。
「当時の僕は両親ともうまくいかず、怒鳴り合いや取っ組み合いのけんかをする反抗的で暴力的な子どもでした。学校にも家にも自分の居場所がありませんでした」(Mさん)
不登校に加え暴力をふるう息子に、母親も精神的に追い詰められ、不眠やイライラ、めまいなどの症状が出て心療内科を受診。その時、医師から紹介されたのが、さち臨床心理研究所の小野幸子所長でした。当時の母親について小野所長はこう話します。