最も難しいホームランバッター育成に必要なこと・邪魔なもの…僕はロッテ時代に教わった
優勝するチームには、必ず投打のタイトルホルダーがいるものだ。そんな中心選手を自前で育てられれば、チームは黄金時代を築くことができる。
現場の要望に合わせて必要な選手をドラフトで指名する。正しく育成するには、球団が主導となり、一軍と二軍の共同作業で行うことが大切だ。
ヒットを打つ打者は台頭しやすい。最も難しいのは「ホームランバッターと捕手の育成」である。ただ、チームの中で「この選手を3年かけて育てる」と意思統一ができていれば、二軍戦の結果にとらわれず、じっくり育てることができる。「三振はOK。打率なんて気にせんでいいから、当てにいくバッティングはするな。とにかくホームランを狙え」「打たれてもいいから自分で考えてリードしてみろ」と言い続けられるのだ。
若手が三振をした時、監督やコーチに「なんでボール球を振るんや」とか、打たれた際に捕手が「配球が悪い」などと怒られると、どんどん縮こまってしまう。捕手はベンチの顔色をうかがうようになるだろう。アマチュア球界や二軍全体を見渡しても、真のスラッガー候補や、めぼしい捕手が見当たらない。生え抜きのホームランバッターや正捕手の育成は、長い目で見ないといけないし、今の時代は長所を伸ばす育成が求められているのだ。