「酔いが回ると…」西岡徳馬が酒を飲みながら台本を読む理由

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 しょっちゅう午前さまでさ。それなのに、朝7時にはシャンとして出勤する。せがれが言うのも何だけど、飲んべえのかがみだよね。

 そんなDNAを受け継いでるから、僕も飲めないわけがない。ただ、本格的に飲みだしたのは大学卒業後、文学座に入って役者を志してから。

 先輩や仲間は「酒好き・芝居好き・話し好き」の三拍子揃っている人が多くて、飲んでいてもすごく楽しい。

 とはいっても、新人だから、行くのは赤提灯か安いスナック。ホームグラウンドは文学座のお膝元の信濃町、他には新宿駅そばのしょんべん横丁、新宿ゴールデン街……。なけなしのお金を持って、毎晩出歩いてたなあ。

 還暦を過ぎてからは酒量は幾分減ったよ。でも今でも欠かせないのが自宅で台本を読む時。酔いが回ってくると、既成概念から解き放たれて、その時々の気分で自由にせりふの言い回しや口調を試せるからなんだ。

 抑揚に変化をつけたり、句読点を無視したり、本来はあり得ないことも含めていろいろとやってると、ピタッと役にはまる瞬間があって。それをキャラクターづくりに生かしたことが何度もある。

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