「下町ロケット」で水原本部長役 木下ほうか語る下積み時代
そうそう、新薬の治験モニターも。自宅でリポートを書くと1回9000円でしたけど、入院するのが一番おいしくて、3食昼寝付きで1週間10万円前後になった。
幸い体調を崩すってことは一度もなかったのですが、治験中はずっと拘束されるのが難点。打ち合わせはもちろん、稽古にも不自由しました。なので数回でやめました。
このバイトと本業の相関関係が微妙。例えば、僕が上京したばかりの頃は、Vシネマの端役のギャラは1万~数万円。映画だともうチョイもらえましたが、仕事が毎日あるわけじゃないですから、俳優としての年収なんて30万円とか、そのくらい。吉本時代の貯金をつぎ込んで暮らしてました。
生活を楽にしたいならバイトをガンガンやればいいんです。でも、それだと本来の役者の道が狭くなる。しかも、食うに困らない範囲で、日舞やジャズダンス、殺陣、乗馬といった売り込みの武器になるような習い事もしなくちゃならない。費用はかさみます。
それと、上京するまでお酒は一切飲まなかったのですが、人脈づくりのために、なるべく酒席に出るように心がけましたから、その出費もバカにならなくて。