米でテロ対策学ぶ 異色お笑い芸人REINAが見た日本の課題
日本は2013年12月に日本版NSC(国家安全保障会議)を設立している。そこで独自に安全保障に関する調査、会議を行うとしているが、それよりも前から公安は諜報活動をしているし、警察庁、外務省、防衛省、内閣情報調査室もある。だが、これらの組織は連携していないし、役割分担もない。それぞれ個別に動いているだけだ。
「米国も9・11同時多発テロの前は、ライバル機関との連携がなかった。FBIのエージェント(捜査官)は事故直前に、『パイロットスクールで危ない動きがある』と本部にメモを出していたことが分かっています。ところが、その情報がCIAなどに伝えられることはありませんでした。共有して調査していたら、9・11を防げたのではないかと問題になり、現在は19機関で役割を分担し、連携するシステムをつくっています。日本は機関がゴッチャになっている印象。合同で機能しないと意味がありません」
■テロ組織はシリアだけで100以上
REINAさんはハーバード大学院卒業後、ロイター通信にも勤務していた。
「私がロイター通信でリサーチをしていた3年ほど前のころで、テロ組織はシリアだけで100以上ありました。数は合併吸収で日々異なります。宗教的な思想を持つ組織では、アルカイダは30年ほど続いていますが、基本的に10年続けるのは不可能で、1年以上存続するテロ組織はごくわずか。アルカイダであっても、フランチャイズ化していて、個々で計画、実行に及んでいます。ただ、逆に組織図が見えないから、つかまえにくいのです」