原作ファンから非難の嵐 新「デスノート」期待外れの要因

公開日: 更新日:

 しかし、長年の原作ファンだという映画批評家の前田有一氏が、気になるその出来栄えをこう語る。

「原作では夜神月という図抜けた天才がデスノートを拾いますが、こちらの想像を超える使い方をして、たった一冊のノートで世の中を変えてしまう背徳的な面白さがあった。それを阻止するLとの天才対決も二転三転の工夫が凝らされていました。しかし今回のこの映画版では、犯人側にも警察側にも知性や知略が感じられない。キラ登場から10年も経つんだからもっと対策くらいしておけよと100回くらい突っ込みたくなる。『デスノート』にファンが求める高度な知能戦が味わえないんです」

 実はネットでも、試写会を見たファンの投稿は原作のコアなファンほど期待外れという声が多い。

「完結した原作に続編を作るなら、オリジナル以上のシナリオをひねり出すのは作品を愛するファンへの最低限の礼儀なのに、この映画版はそのシナリオ面が一番弱い。観客の予想を超える攻防戦を見せてこそわざわざオリジナル続編を作る意義があるし、それを見せてこそ原作超えのエンタテイメントができるというもの。そもそも夜神月以上の戦術と主人公が思いつかないなら、映画化なんてやめたほうがよかった」(前出=前田氏)

 とっくに完結した原作漫画の人気に頼って、いつまでも「柳の下のドジョウ」を探しているようではファンを敵に回すことになる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで