著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

衰えぬコンサート人気 沢田研二が貫いた“独自路線”の矜持

公開日: 更新日:

 GS全盛時は「タイガース」の人気ボーカル。ソロになっても「ジュリー」の愛称で数々のヒット曲を飛ばしてきた。化粧や肌を露出した衣装などビジュアル面でも女性ファンを魅了。当時は「男が化粧」と非難する声もあったが、それは百も承知。「敵・味方が半々。それがちょうどいいバランス」という沢田側の作戦だったという。

 紆余曲折ありながらも順風満帆に見えた沢田だったが、95年に「自分のやりたいようにやっていきたい」と方向転換。すべてのテレビ番組から消えた。業界のしがらみを捨て、コンサート中心の活動に切り替えたのである。こんな話を聞いた。

「彼はアイドル的な人気歌手としてやっていくか、縛りのない普通の歌手になるか悩み、再婚相手の田中裕子にも相談。出した結論が後者だったそうです」(芸能関係者)

 すでに昔のセクシーなジュリーの面影はない。年相応にお腹の出た体形と薄くなった頭髪。「もうビジュアルを気にする必要はなくなった」ことの証しでもあろう。全盛期は口数の少ない寡黙な歌手という作られたイメージも脱ぎ捨て、反戦や反原発をコンサートで訴える。素の沢田研二が舞台に立っている。それでもファンは毎年のように会場に足を運び、「ジュリー」と黄色い声援を送る。沢田の生き方も後輩歌手の指針になるかもしれない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動