著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

年400本TV出演の秘訣 ビビる大木は“自分を消せる”仕事人

公開日: 更新日:

 大木にとって、テレビとは遊びの延長のように自分のホンネを言ったりする場ではないのだ。

 もちろん、大木も最初は、ゴールデンの冠番組を持ちたいといった野望もあった。テレビの主役ならば、自分の思い通り遊びの延長でも許される。けれど、芸歴を重ね、その器ではないことを悟った。自分の司会の心得をこう語っている。

「視聴者に大木の記憶がなくてもゲストの印象が残ればいい」(「サンケイスポーツ」12年11月24日)

 今では「あの番組に大木いたの?」と言われる方が成功だとまで達観している。そんなふうに思えるきっかけのひとつになったのが「トリビアの泉」(フジテレビ)だ。

 この番組はもともと深夜番組。大木がちょうど「ビビる」を解散した頃に始まった。当時の大木はそれほど知名度はなかったが、パネリストに抜擢され、番組を盛り上げる欠かせない存在になっていた。

 だが、「トリビアの泉」がゴールデンに昇格するとなった時、上層部から知名度で劣る大木はいらないのではないかという声が上がった。けれど、深夜時代からADを務め、ディレクターに昇格した2人が「大木さんありきじゃなきゃ嫌だ」と強硬に主張し、番組に大木を残したのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」