青年座「安楽病棟」 超高齢化社会の“生と死”の問題を凝縮
舞台にリアリティーを与えたのが、俳優層の厚い青年座ならではのキャスティング。藤夏子、山本与志恵、岩倉高子、嶋崎伸夫、名取幸政、山野史人、児玉謙次らベテラン勢が入魂の演技で認知症患者を活写。そして、重くなりがちな物語を救うのが若い看護師たちの生命力とユーモア。
物語のテーマを内在する医師役の石母田史朗の説得力ある演技、舞台の要となる看護師を演じた小暮智美の真摯な演技が心を打つ。
超高齢化社会を迎える日本。避けて通れない「生と死」の問題を凝縮し、娯楽性豊かに展開した秀逸な舞台だった。7月1日まで、下北沢・本多劇場。 ★★★★