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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

徹子に理解されずとも…やり続けて作り上げた友近の世界観

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 友近の笑いの世界は、なかなか伝わるまでに時間がかかる。なぜなら、ツッコミが不在だからだ。普通なら、何かになりきったら、それに対し何らかのツッコミが入る。だが、友近のコントの中では、五木のように共演者たちが乗っかることで、その世界を強化していく。つまりはボケっぱなし。

 しかも、そのボケも明確なギャグではなく、ただひたすら「居そうな人になりきる」というものだから、共通認識がなければ、笑いどころが分からないということになってしまう。

 実際、デビュー当初はなかなか理解されなかったという。当時、テレビでやっていたようなポップなコントには笑うが、友近が本来やりたいネタになると、客がぼうぜんとすることが、7~8年続いたという。

 理解されないという意味での極め付きは、水谷千重子として「徹子の部屋」(テレビ朝日)に出演した時(16年1月18日)だ。いつもの調子で質問に答えていると、黒柳徹子が「面白くない話を続けても視聴者の方に申し訳ないんで」と一蹴したのだ。

 思えば彼女が全国的にブレークしたのも、なだぎ武と組んだキャラ「ディラン&キャサリン」だった。しつこく「西尾一男」になりきり続けてもいた。一貫して彼女はたとえ伝わりにくくても、自分が面白いと思ったものをやり続けている。

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