矢部みほさん 子供4人のごちそうは「おばあちゃんサラダ」
文子さんは2回離婚を経験。女3人、男1人の4人きょうだいの父親は一緒だ。
そんな家庭環境ゆえ、文子さんがお店を始めたこともあって、よく祖母がご飯を作ってくれたという。というわけで矢部さんにとってのおふくろメシは「おばあちゃんサラダ」と言っている祖母のミナさんが作る特製サラダ。
「キャベツの千切りと魚肉ソーセージ、リンゴを三角形に切ってマヨネーズで和えて味の素を少々入れたものです。これにもやっぱり砂糖を隠し味で入れるんです。砂糖を入れることによって味がまろやかになり、水気も出る。酸味のあるコールスローとは反対側にあるサラダでしょうね。キャベツのサラダにはハムを入れることの方が多いから、魚肉ソーセージも珍しいかも。リンゴはシャキシャキのまま、甘味もとてもいいです」
ミナさんはキャベツを丸々1個使ってこのサラダを大量に作ったそうで「食べ盛りだから争うように食べました」。
孫が大好きだったミナさんは2年前に96歳で他界した。最近、あのサラダが恋しくなって自分で作ってみるが、何かが違うという。
「おばあちゃんの手で混ぜる、その違いが大きいかもしれません。混ぜたキャベツはしんなりして時間がたつと水が出てさらにマイルドになる。私の手でやったのとは微妙に違うのだと思います」
おばあちゃんサラダは元気印の文子さんも大好きで、子供時代にサラダを食べていたみほさんのことは「なんでも食べるし、あの子も子供の頃から元気がよくてね」と似たもの母子である。