「ボーダーライン」続編が描く メキシコ麻薬戦争のリアル
トランプ大統領の壁建設政策で揺れるメキシコとの国境地帯で今、何が起こっているのか。不法移民問題などの背景で跋扈する麻薬カルテルを題材にした映画「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」が話題だ。
ルールもモラルも通用しない、善悪をも超えた現地での戦争をリアルに描き、アカデミー賞3部門にノミネートされた2016年日本公開の「ボーダーライン」の続編。麻薬カルテルの非情さはもちろんのこと、犯罪組織を潰すべく、内戦を引き起こすための超法規行動に出るアメリカ秘密作戦は背筋が寒くなる。どっちもどっちの殺し合いなのだ。
「本作でもロケハンに携わっていたメキシコ人映画スタッフが中部イダルゴ州近郊で銃弾を多数撃ち込まれ、遺体となって発見される事件が9月にありました。当地はメキシコ政府が麻薬組織を撲滅すべく2006年から軍を投入しているのですが、それ以降だけでも犠牲者や行方不明者が20万人を超える危険な場所。緊迫の映像は、撮影から命がけだったようです」(PR担当の山崎裕希子さん)
そのためか、試写会から話題を集めマスコミ関係者でいっぱいに。16日に全国公開。この秋、必見の作品だ。