ヒロシさん<2>半年で保険会社を退職…上京2年目でホストに
上京したときは、すでに26歳。当時組んでいた相方と東京の事務所に入り、ライブ出演をする日々を送る。
「あるオーディションで、たまたま僕だけが受かって、番組のロケに参加しました。その当時はやっていたスタイルで、何も知らされないまま『2~3日分の着替えだけ持って◯◯に集合してください』と言われました。目隠しされてロケバスに乗り、訪ねたのは土木作業の会社でした。そこで2カ月間、住み込みでヤンキー上がりの人たちから怒られながら作業に携わったんです。ギャラは2カ月で2万5000円でした」
帰宅後が、もっと悲惨だった。当時は数人の芸人仲間と一緒に住んでいたが、「番組はロケ中のアパート代、光熱費の面倒を見てくれないわけです。携帯ももちろん止められている。しかも複数人で住んでいたこともあって出入りが多い家で、鍵なんてかけてなかった。それで、誰かが僕名義のビデオレンタル屋のカードを使って勝手に借りていたんですよ。その延滞金が8万円って通知が来て、“これはまずい”ってなったんです」。
上京後2年ほど経った頃のことだった。ホストをやっているという芸人から、“ホストクラブで働けばお金持ちになれる”と聞かされて、ホストクラブに入ることになった。 =つづく