セブン・サイコパス(2012年、英国)
雑談していたマフィアの子分2人が突然、背後から銃殺され……。危険なシーンで始まるクライムコメディーは、タイトル通りのサイコパスの連中が複雑に絡む。
締め切りに追われたアル中の映画脚本家マーティを助けようと、友人で役者のビリーは新聞に「サイコパス募集」の広告を出す。それが、新作「セブン・サイコパス」の脚本作りのサポートだったりする。
ビリーの知人の老人ハンスは犬泥棒で、飼い主が困っているのを見計らって犬を届け、謝礼のカネをもらって稼ぐ。ある時、盗んだ犬がマフィアのボスの愛犬で、マーティたちも騒動に巻き込まれるハメに。マフィアに妻を殺されたハンスが逃亡する車中でボソッと呟いた言葉だ。
ドタバタ系のコメディーではなく、人間の内なる葛藤や苦悩、社会へのストレスをサイコパスという形式で浮き彫りにする。とっぴなキャラクター設定と殺人をいとわない大胆な行動表現が、見る人の笑いを乾いた笑いに変換するのは、好き嫌いが分かれるところ。
でも、誰しも心の中に持つ悪への衝動をポップに爆発させるようなシーンの連続は、スランプ状態の人が見るとスッキリするはずだ。