お笑い界はチーム力の吉本vs個人力の東京芸人で乱戦模様
吉本興業が本格的に東京に進出した80年代。東京では漫才人気の立役者、ビートたけしが弟子志望者を集め1983年に「たけし軍団」を設立。リアクション芸でテレビ界に進出して一大ブームをつくった。
「吉本に対してライバル意識もあったでしょうが、軍団は素人の集まり。舞台で鍛えた吉本芸人の話術に対抗する手段として体を張った芸で対抗した。『風雲!たけし城』(TBS系)など数々の番組がヒット。吉本とは違った笑いで色分けされ、東西入り交じってテレビ界は空前のお笑いブームになった」(テレビ関係者)
集団のリアクション芸も長くは続かず軍団も解散状態のなか、お笑い第3世代のダウンタウンがリアクション芸を再興すべく立ち上げた「ガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)で吉本芸人が大暴れ。大晦日恒例の人気番組に押し上げた。東京でもリアクションの流れを組んだダチョウ倶楽部と出川哲朗が孤軍奮闘。特に冠番組まで持つ出川人気は目を見張るものがあるが、芸人の質量ともに勝る吉本の勢いは衰えなし。番組の顔となる司会者だけでも明石家さんま・松本人志・浜田雅功。さらに東野幸治、今田耕司、加藤浩次と後継者は絶えることがない。