拒絶のトヨエツと冗舌の羽賀研二…過熱した取材合戦の記憶
「面白いことをやろうよ」を第一に掲げ、けんかになっても逃げない。「むしろ、揉めるくらいのところから始まった方が、いい取材ができたり、相手と仲良くなれるよ」と言っていた。
それは本当だと思うようになったのは、携帯が出回り始めた頃だ。情報の行き来が早くなり、芸能人や関係者からのリークが増えていったのだ。
「これ知ってますか?」と、羽賀研二もどこにも出ていないネタを振ってきたりした。借金や女問題があぶり出されて窮地なはずなのに、不敵な笑いが聞こえてきた。「誠意大将軍」は裏の顔が見え隠れしていた。アンナとペアヌード写真集も出し、バカップルとも呼ばれていた。
F1レーサーのジャン・アレジと熱愛中のゴクミこと後藤久美子が成田空港から単身渡仏した。二十歳そこそことは思えない落ち着き、そして目を見張るほどの美しさに、男の記者は見惚れてしまい、口をあんぐりと開いていたものだ。 (聞き手=長昭彦/日刊ゲンダイ)