漫才師・西川のりお 変わった服を着る企画の“金ピカ衣装”

公開日: 更新日:

 80年代初頭の漫才ブームで大ブレークした上方漫才の大御所「西川のりお・上方よしお」。忘れられない写真は当時のステージ写真だという。西川のりおさん(67)にそのエピソードを語ってもらった。

  ◇  ◇  ◇

 この写真は「花王名人劇場」(関西テレビ・フジテレビ系)に出演した時のものですわ。着ているスーツが金ピカのピッカピカ、えらい地味でしょ?(笑い)。僕らが漫才ブームで人気に火がついた少し後ぐらい、82年とか83年あたりやと思います。衣装は番組で「コンビのどちらかが変わった衣装を着る」という企画があって、制作スタッフさんが用意してくれたんですよ。特注も特注、この世でたったひとつだけ。忘れようにも忘れません。

■当時は毎週妙ちんちくりんなかぶり物か素っ裸

 その頃は「変わった衣装」「かぶり物」というのも、僕のひとつのキャラやったんです。ちょっと振り返りましょう。

 80年から始まった漫才ブーム。この年の1月に放送された漫才特集「花王名人劇場 激突!漫才新幹線」を皮切りに、4月スタートの「THE MANZAI」(フジ系)で火がついたといわれてるんです。

 レギュラーは横山やすし・西川きよし、星セント・ルイスらベテラン師匠、若手はツービート、B&B、ザ・ぼんち、オール阪神巨人島田紳助・松本竜介、今いくよ・くるよ、そして僕ら。それまでいまひとつ波に乗れてなかった僕らにしたら、ホンマ、大きな転機やった。

 僕は“暴走キャラ”いわれてね。相方をどついたり、首絞めたり、もうムチャクチャですわ。ガラガラ声で「ホーホケキョ」、腰を前後にクイクイ動かして「ツクツクボーシッ、ツクツクボーシッ」と意味もなく叫んだり。名時代劇「旗本退屈男」の主人公、早乙女主水之介をモチーフにした「パッ! 天下御免の向こう傷。パッ! 拙者、早乙女、パッ! 主水之介!!」って見えを切るギャグも最初のお披露目は80年とか、その前後ですよ。

 そんな時、81年に始まったのが「オレたちひょうきん族」(フジ系)。ビートたけしさんがタケちゃんマン、さんまちゃんはブラックデビル。僕は毎週、毎週メークを変え、妙ちくりんなかぶり物をし、またある時は素っ裸ですわ。最初は沢田研二さんのパロディーで始まったけど、マーチングバンドの指揮者よろしく、右手を威勢よく上下に振りながら、「ツッタカター、ツッタカター」と行進する「ツッタカ坊や」を覚えてる読者さんは多いんちゃうかな。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  4. 4

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  2. 7

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  3. 8

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  4. 9

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 10

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した