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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

無気力にも見えるタモリの自然体の源は独自の“才能観”

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 素人時代のタモリがマンガ家・赤塚不二夫の自宅に居候していたことは有名だ。当時でも家賃17万円、4LDKの高級マンションだった。冷暖房完備、台所にはハイネケンのビールが山積みにされ、服も着放題。その上、ベンツも乗り放題で、小遣いまで与えられた。

「居候というのはね、卑屈な態度をとっちゃダメなの」「『俺を見つけたんだから、おまえすごい!』そう思わせないと向こうも、『なんだ、こんなヤツにお金かけてやってるんだ』って、『出て行け』ってことになる」(フジテレビ「SMAP×SMAP」06年4月17日)

 とある公開対談で「さんざん面倒見たのに、一度も礼を言わない」と赤塚不二夫に冗談交じりに言われたタモリは、こう返したという。

「みんな俺の才能に勝手に魅かれて親切にしてるんだから、そんなヤツらにいちいち礼を言ってられるか!」(太田出版「QuickJapan」vol.41=02年2月発売)

 そんなタモリは「才能」について、独特の考えを持っている。


「才能っていうと、すごく偉いように聞こえますが、持って生まれたものです。努力して勝ち得たものじゃないですから、あまり価値のないものです。あまり人に誇れるものじゃない」(NHK出版「ことばを磨く18の対話」加賀美幸子編=02年5月発売)

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