著者のコラム一覧
城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

吉本社長“グダグダ会見”は甘すぎる危機管理と準備不足が仇

公開日: 更新日:

 吉本には社内弁護士がいて、会見までに1日半以上の余裕があった。当然、想定問答集で練習していたはずだ。ただ、これを事務所上層部と弁護士だけで行っていただろうことが失敗の原因だと考えられる。

 通常、大手芸能事務所なら、親しいリポーターや記者の一人や二人はいるものだ。その中で本当に味方してくれる記者を選び、想定問答の場に呼んで相談すべきだった。そうすれば、「その答えではマスコミは納得しない」と厳しく言ってもらえたはずだ。これを癒着とする意見もあるだろうが、エンタメ企業のリスク管理として、まっとうだと僕は考える。少なくとも、弁護士は法律のプロではあっても、危機管理広報のプロではない。

 岡本社長は「おまえら、テープ回してないやろな」「全員クビだ」といった一連の発言を、「冗談」「父親が息子に勘当という感覚だった」と苦しい言い訳をしていた。この一例でも事前準備をしていないことが分かる。

 もう時効だから言うが、故・松方弘樹さんが隠し子発覚で会見したことがある。パイプカットさせられたと言って話題になった会見だった。その時、僕は会見前の打ち合わせに呼ばれた。どんな質問が出るのか教えて欲しいというわけだ。僕は「一例を挙げれば、『養育にかかる金銭はどうしているのか?』と聞かれます」と答えた。松方さんは「毎月30万円だ」と説明したが、その時、事務所社長が「金額は言いたくないなぁ」と顔をしかめたこともあり、僕は「親子が生活に困らないくらいの金額を子が成人するまで責任を持って支払います」という言い方をアドバイスした。他にも尋ねられる質問のポイントを伝え、マスコミが納得できないまでも、理解できる回答を考えて欲しいとアドバイスした。

 一般企業も同じかもしれない。信用でき、会社の秘密の一部を漏らしてもいいぐらいの記者を掴み、相談できるのも危機管理対策のひとつではないか。もちろん、吉本の今回の会見は、岡本社長が不祥事にいかに真摯に向き合っているか、その姿勢を見せることが第一義だった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」