NHK朝ドラ「なつぞら」主人公が描くアニメの原作は何だ?
来週から、なつは「大草原の小さな家」をヒントにした「大草原の少女ソラ」の作画監督を担当するのだが、モチーフとなっているのは、むしろ「アルプスの少女ハイジ」だろう。ハイジの演出や構成を担当し、後にスタジオジブリを設立する高畑勲、宮崎駿がモデルといわれるなつの同僚、下山克己や神地航也も登場してくるし、日曜日のゴールデンタイムに1社スポンサーの放送という設定も同じ。1社とはカルピスだった。
なつのモデル奥山玲子はアニメーターとしての最後の仕事で、野坂昭如の小説「火垂るの墓」のアニメ化を手伝う。空襲で両親を失った兄妹が、いたわり合いながら餓死する悲しい話だ。ドラマの最終話でも、戦災孤児のなつ、兄の咲太郎、妹の千遥たちを描いた「夏空」というアニメ映画が、12年後に公開されると予告される。「火垂るの墓」のことなのだろう。ここで第1話のアニメの空襲シーンとつながる構成になっている。
ラストは十勝の雄大な大地と青空をバックに、なつの親子が丘を下ってくる美しいシーンだ。
(コラムニスト・海原かみな)