「教場」で白髪姿 キムタクの“座長力”47歳でも健在だった
そういう現場で評価されるのは、共演者・スタッフとうまくやっていく力だ。
ドラマによって見方はいろいろあるだろうが、木村拓哉は制作スタッフなど周辺の人間からの評価が高い。飛び抜けて演技力が高い俳優とは思えないが、「現場での誠実さ」「カメラやレンズを通してみると分かる華やかさ」「演技以外の振る舞いが求められる所作での器用さ」は、画面から伝わってくる。ドラマを、主演を座長とした舞台公演だととらえれば、彼の“座長力”は素晴らしいのだろう。
役だからと分かっていても、「グランメゾン――」での挫折を経験した天才シェフの役は、腹が立つほどふてぶてしくて生意気で、キムタクだ。
その反面、優しく、仲間を思いやることのできる面もある、キムタクだ。ファンは「やはりそのままだ」と思って歓喜するだろうが、やはりアンチは「何をやっても」と叫ぶだろう。
このままでいいのか、変わらなくてもいいのか? キムタクは悩みながらも年を重ね、今年も彼なりに誠実に演じ続けるしかないのかもしれない
(コラムニスト・君野那波)