「配信中」と動画サイトに誘導するテレビの“背信行為”
連続ドラマを見ていると番組の終わりに「このあと〇〇を配信」という動画サイトへ誘導するナレーションやテロップが増えている。たとえば、木村拓哉(写真)主演「グランメゾン東京」(TBS系)では予告の後、「配信オリジナルストーリー『グラグラメゾン東京』は深夜からパラビで」というナレーションと画面に「パラビ 検索」の文字が出る。中谷美紀主演「ハル~総合商社の女~」(テレビ東京系)でも「物語をさらに面白くするチェインストーリー GYAO!にて独占無料配信中!」と視聴者を動画サイトに促す。
「『グラグラ――』は平古祥平役の玉森裕太を主演にしたもので、仕事に恋愛にグラグラ揺れ動く“若者の甘酸っぱい青春”物語だとか。本編は木村がメインで活躍の場が少ない玉森ファンへのサービスといった意味合いもあるのかもしれません。婚約者と後輩パティシエとの間で揺れる恋愛模様はともかく“本編で描かれたシーンに至る平古の心情や言動などを描く”ことは必要なのか」(ドラマウオッチャー)
「ハル」のチェーンストーリーは1話と2話をつなぐ1.5話という位置づけで、9分ほど。無料動画とはいえ視聴者をわざわざ煩わせなくても。最近はこの手のスピンオフやら番外編でネットに誘導する手口が跋扈(ばっこ)している。
「テレビドラマはテレビの中だけで完結させるのがスジ。言ってみれば視聴者への背信行為。余計なことをせず、本編に集中してほしい」(前出のドラマウオッチャー)
見逃し配信ならともかくオリジナル動画は要らない。テレビの“背信行為”!!