いつもダンディーで、ほほ笑みを絶やさず、トレードマークの帽子とサングラスで決めていた。「やりたい仕事をすれば食えないのは当たり前」と清貧の覚悟、美学を貫いた。マスコミにも垣根をつくらない。
「取材を申し入れると、成城のご自宅に呼んで下さった。それだけでも驚きなのに、玄関から出てきて『ああ、よく来てくれました』と、あの柔和な笑顔で右手を差し出された。あの大きくて柔らかい、あたたかい手の感触は忘れません」(ベテラン芸能記者の青山佳裕氏)
本稿記者の脳裏にも、約20年も前、ゆうばり国際映画祭で、白銀の駅に降り立ったときの大林さんの格好よさが今もある。合掌。