芸人とはお客が言いたくても言えないことを代弁する存在

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 2005年5月、ヒロは談志一門の立川談慶の真打ち披露パーティーの余興で、今も得意とする「今日のニュースと天気予報」のパントマイムを演じた。

「それを家元に、『面白い』とほめられた。僕はお調子者なんで、『こんなライブをやってます』と、当時新大久保の小さなホールで定期的に催していたライブのチラシを渡しました。すると、その会場に家元が来てくれたんです。バンダナを巻いた怪しげなおじさんなんで、受付に居たうちのカミさんが『満席です』と断ったら、『立ち見でいい』と言う。そこで家元だと気付いて、あわてて案内して補助椅子に座ってもらった。僕は知らなくて、いつものように休憩なしで2時間やって頭を下げたら、客席の後ろから変なおじさんが舞台に近づいてくる。お客が『談志師匠だ』『家元だ』とざわざわしてるので、ようやく気が付いて、舞台に上がってもらいました。すると家元がこうおっしゃった。『近頃の芸人はなってない。でも、ヒロ松元は文句なし!』って。家元は必ずヒロを先に言ってました。ペギー葉山、ポール牧みたいに、カタカナは先に言うものと思ってる。『俺は今までこいつを見損なってた。あ、見てなかったという意味だよ。そのことをおまえにわびる』と頭を下げたんです。そして、『でも今日、見ることができた。それはこれまでヒロを育ててくれたお客さまのおかげです。ありがとう』と礼を言ったからお客は感動して、凄い拍手が起こった」

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