10年ぶりメガホンとる角川春樹氏が通った「天河大弁財天」
角川春樹氏(78)が10年ぶりにメガホンをとる映画「みをつくし料理帖」は今秋にも公開される。
角川氏は父の後継者として「角川書店」に入社。横溝正史ブームをつくり、俳優が朗読するソノシートを作るなど当時から才覚のある人だった。1976年には映画界に進出。「犬神家の一族」を皮切りに「人間の証明」などのヒット作を出し、角川作品から出てきた薬師丸ひろ子・原田知世・渡辺典子を「角川三人娘」と呼ばれるまでにした。
映画界の「寵児」となった角川氏で思い出されるのが神事だ。
角川氏は映画の台本ができると、奈良県吉野郡にある「天河大弁財天」に台本を奉納。ヒット祈願したという話を聞き、いかなる神社なのか取材に出かけた。下調べでは、「芸能の神様として知られ芸能関係者の参拝が多い」とあった。アポなしで神社に向かった。京都から近鉄吉野線で下市口駅下車。そこからは1日数本のバスしか交通手段はなく、駅前からはタクシーを使った。
曲がりくねったデコボコの山道を走る。途中、集落はあるが民家も人もほとんどない。こんな山奥に神社があるのだろうか?