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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

古関裕而に“エール”を送り続けた藤堂先生の実在モデルとは

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 そこで遠藤は回り道をすることになる。小学校で用務員や代用教員として働きながら検定合格を目指し、苦労の末、正規の教員となった。そして、古関裕而のいる福島県師範学校附属小学校の教員として働きだすのである。

 古関の担任を務めたのは3年生から卒業するまでの4年間。遠藤が20代後半のころだ。特に熱心だったのは、つづりかた(作文)と唱歌(音楽)の時間。つづりかたでは生徒たちに童謡を作詞させ、唱歌でそれに曲をつけさせる。のちに音楽への道に進む古関の才能を開花させる授業を遠藤は実践していたというわけだ。まさに作曲家「古関裕而」誕生の最大の功労者といっても過言ではないだろう。

 ドラマでは第11週でも、遠藤をモデルとした藤堂先生が重要な役割を担っている。すでに東京で作曲家として成功を収めつつあった古山裕一(古関)に、藤堂が福島の小学校の校歌の作曲を依頼。古山は福島への凱旋帰郷を果たすのである。

 これも実際にあった話をもとにしている。遠藤の母校であり、卒業後は用務員や代用教員を務めた要田小学校(福島県田村市)の校歌の作曲を古関に頼んでいるのだ。この校歌の詞はその後、変わってしまったが、曲は今でも古関が作ったそのままのメロディーだという。

(ジャーナリスト・田中幾太郎)

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