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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

好感度無視 イタズラ坊主の田村淳が見つけた絶好な立ち位置

公開日: 更新日:

「俺、淳に進行のことで迷惑かけるかも」(同前)

 その“予言”は的中した。進行は多くの場合、ツッコミ役が担うが、ロンブーの場合は、進行が苦手な亮に代わり、ボケ役の淳が担当することが多くなった。それどころか、番組中のツッコミも淳がすることが増えていった。この立場に10年くらい前までずっとモヤモヤしたものを感じていたという。

 ある時、とある番組のディレクターから「おまえが仕切ってボケて、サッカーでいうと点取るのとゴールキーパーを一緒にやれ」と言われた(太田出版「Quick Japan vol.97」11年8月12日発売)。

 そんなのは無理だと思ったが、「ロンドンハーツ」で看板企画のひとつとなる「格付け」をやりはじめて淳は開眼した。「最前線のフォワードじゃなくてもシュートは打てるし、ここなら守れるという自分しかわからない立ち位置」が見つかったのだ。あとは亮が「フィールドを走ってくれていればいい。自由に」と(同前)。

 他のコンビと同じでなくてもいい。自分たちなりのやり方を見つけたのだ。すると、進行を務めながらでも、自分の持ち味である好感度を度外視するような“イタズラ坊主的”な発想を、最大限に発揮することができるようになったのだ。

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