気の利いた格言よりも…迷ったらアニマル浜口を思い出せ
そんな時は大好きな野球選手のことを想像する。プロの選手ともなれば、体に痛いところがない選手はいないだろう。それでも彼らはプレーする。チームのためもあるし、なおかつポジションを奪われないためだ。電子化が進んでも、やはり紙の本が好きだ。文庫本は手にすっぽりと収まり、なんともいとおしい。単行本は厳かさと優雅さを兼ねそなえながら、「さあ、こちらの世界へ来てごらん」と言わんばかりに両手を広げてくれる。本屋さんに一歩足を踏みいれれば、そんな本たちが迎えてくれるのだ。でも本棚には限りがある。
わたしは物書きもカップラーメンと一緒だと思っている。スーパーやコンビニのカップラーメンの棚。真ん中にはベストセラーヌードルたちが威風堂々と立ち並ぶ。ずっと皆さまに愛される味だ。食べるのに不安もない。その脇や下には新商品が置かれる。「パクチー味です!」「チョコレート味です!」。特徴がなければ「とりあえず増量です!」。
手に取るのは不安だ。食ったことないんだから。でも彼ら彼女たちも、いつか真ん中に堂々と立てるように、と日々新たな新商品の開発におびえながら、凜とたたずみ立っているのだ。