著者のコラム一覧
一雫ライオン作家

1973年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部2部中退。俳優活動を経て、35歳のときに演劇ユニット「東京深夜舞台」結成を機に脚本家に転身。主な脚本作品に、映画「TAP 完全なる飼育」「サブイボマスク」、東野圭吾原作「パラレルワールド・ラブストーリー」など。2017年に家族愛を描いた「ダー・天使」(集英社)で小説家デビューし、翌年「スノーマン」出版。最新作は幻冬舎から出版予定。

気の利いた格言よりも…迷ったらアニマル浜口を思い出せ

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 そんな時は大好きな野球選手のことを想像する。プロの選手ともなれば、体に痛いところがない選手はいないだろう。それでも彼らはプレーする。チームのためもあるし、なおかつポジションを奪われないためだ。電子化が進んでも、やはり紙の本が好きだ。文庫本は手にすっぽりと収まり、なんともいとおしい。単行本は厳かさと優雅さを兼ねそなえながら、「さあ、こちらの世界へ来てごらん」と言わんばかりに両手を広げてくれる。本屋さんに一歩足を踏みいれれば、そんな本たちが迎えてくれるのだ。でも本棚には限りがある。

 わたしは物書きもカップラーメンと一緒だと思っている。スーパーやコンビニのカップラーメンの棚。真ん中にはベストセラーヌードルたちが威風堂々と立ち並ぶ。ずっと皆さまに愛される味だ。食べるのに不安もない。その脇や下には新商品が置かれる。「パクチー味です!」「チョコレート味です!」。特徴がなければ「とりあえず増量です!」。

 手に取るのは不安だ。食ったことないんだから。でも彼ら彼女たちも、いつか真ん中に堂々と立てるように、と日々新たな新商品の開発におびえながら、凜とたたずみ立っているのだ。

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