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一雫ライオン作家

1973年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部2部中退。俳優活動を経て、35歳のときに演劇ユニット「東京深夜舞台」結成を機に脚本家に転身。主な脚本作品に、映画「TAP 完全なる飼育」「サブイボマスク」、東野圭吾原作「パラレルワールド・ラブストーリー」など。2017年に家族愛を描いた「ダー・天使」(集英社)で小説家デビューし、翌年「スノーマン」出版。最新作は幻冬舎から出版予定。

書きゃいいのだ。脚本家や作家になりたけりゃ書けばいい

公開日: 更新日:

「どうしたら脚本家や小説家になれますかね?」

 ふいにこの質問をとばしたのは夕刊紙日刊ゲンダイのY編集者である。そう、わたくしが今書いている紙面の担当者さんだ。「はて知りませぬ」と答えたのはなにやら面倒なにおいが漂ったからで、やはり正解、どうやらY氏がお世話になっている方の息子とやらが作家志望であるらしく、年は21歳、アドバイスを求めているという。

「面倒くさいですねえ」とアイスコーヒーをすすりながら言うとY氏も「そうなんですよ」とアイスティーを喉元に通し苦笑い。要は世話になっている方になんらかの答えを持ち帰らねばならぬわけだ。が、かといって一流作家の大先生にこんな愚問を投げるわけにはいかず、そこで新参者の物書きであるわたくしの出番となったようである。

 ただでは転びたくないずうずうしい性格のわたしは、近々出版される新作小説の宣伝をとY氏に頼み無事承諾、21歳の若者が欲しがっているアドバイスとやらを答えた。

「やりゃいいんじゃないですかね」

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