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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

コロナ伝染経路 人間社会すべての偶然はすべて必然なのだ

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 おまえはどうして発生したのか、一体どこから運ばれてできたんだ?

 今年は、科学がその発生メカニズムと根本原因を徹底的に突き止める時だろう。ソダーバーグ監督の「コンテイジョン」(2011年)というウイルス伝染パニック映画を思い出した。最後に感染経路が描かれる。中国で開発会社のブルドーザーが密林の木々を倒しまくり、コウモリの群れが豚小屋に飛んで逃げ、一匹の豚にウイルスが宿り、その豚が香港の料理屋まで……と、極めてリアルな伝染経路だ。偶然が偶然を呼んでいくのではない。人間社会、すべての偶然はすべて必然なのだ。ウイルスは人間より昔からいる。人間は無知のまま、やつらを揺り起こし目覚めさせ、育てて運んでばらまいてしまうのだ。

 自由で熱かった昭和時代を楽しんでもらっている最中なのに、年明け早々からまたしても「臥薪嘗胆」の不自由な日々とは、クソったれが。

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