中島みゆきと初めて打ち合わせしたのはTOKIO「宙船」の時
僕にとってみゆきさんの曲は、咀嚼するのに凄く時間がかかるんです。「アザミ嬢――」は、本人とは会うことなくデモテープだけを渡され、アレンジを頼まれました。その時も耳慣れない「アザミ嬢」って言葉になかなかイメージが湧かず、悪戦苦闘したのを覚えています。
TOKIOの「宙船」(2006年)の時に、みゆきさんが初めて打ち合わせに来ましてね。僕といろいろ話をしながら、「ここはこんな感じで」って彼女もとても積極的でした。
打ち合わせが終わって帰ろうとしたら、彼女の家と僕の家が同じ方向だったので、「乗っていく?」と声をかけたら、「乗っていく!」って。
その時に車の中で話をしましたが、初期の作品の話は一切しないで、なるべく当たり障りのない表面的な話をしながら送っていったのを覚えています(笑い)。
助手席で話をしていたみゆきさんは、少し戸惑っているようにも見えましたね。でも明るくて、おちゃめで、シャイで。目の前で彼女がしゃべっているのを見て、「こういう人なんだ!」とずいぶんイメージが変わりましたよ。
後にも先にも2人っきりで話をしたのは車で送ったあの時一度だけです。