大瀧詠一さんは「ニューミュージックのお葬式」と言った
85年6月15日、旧国立競技場で6万人を集めたコンサートが開催された。13年ぶりの再結成となった大瀧詠一、細野晴臣、松本隆、鈴木茂の「はっぴいえんど」(活動69~72年)、加藤和彦、高中正義、高橋幸宏、後藤次利に坂本龍一が参加した「サディスティック・ミカ・バンド」(活動72~75年)がステージに立った。当日はユーミンがボーカルを担当した。
「当時、私は細野晴臣さん主宰のノン・スタンダードレーベルで制作プロデューサーをしていました。はっぴいえんどは再結成できるのか、ハラハラドキドキしながら見ていました。プロデューサーの亀渕昭信さん(元ニッポン放送社長)はまず大瀧さんに、そしてユーミンに(出演交渉の)声を掛けたそうです。願いは通じて、はっぴいえんど、ミカ・バンドが幕引きを務め、佐野元春さんやサザンオールスターズら新世代にバトンを引き継ぐ役目を担ってくれました。大瀧さんは、このときのことを『ニューミュージックのお葬式』と言っていました。ロフトの(平野)悠さんはライブハウスからスタートしてホール、スタジアムまで到達したニューミュージックを横目で見ながら、次代のパンクロックに邁進していました」