武田氏は昇進か NHK看板キャスター異動の真相が見えてきた
NHK「ニュースウオッチ9」と「クローズアップ現代+」のキャスターが、先月末で交代した。前任の有馬嘉男(55)と武田真一(53)は、菅義偉首相、二階俊博自民党幹事長の不興を買ったための左遷という“解説”もあるが、ちょっとうがち過ぎじゃないか。たしかに、菅首相はNHK支配を虎視眈々と狙っているが、たまたま厳しい質問をされたくらいで看板番組の“顔”を飛ばさせたりすれば、物笑いになるのは自分で、かえってNHKへの影響力が低下するぐらいのことは、さすがにわかっている。彼らはもっとずっと腹黒く、ズル賢い。
とすれば、武田氏の大阪拠点放送局への転勤は、むしろ昇進なんじゃないか。NHKは中期経営計画で、東京・渋谷の放送センターに集中している機能と人材を全国に分散する。なかでも大阪拠点放送局は、東京で直下型地震などの大災害、テロ襲撃やシステムの重大故障が起きた時に、渋谷に代わるキーステーションに位置付けられ、局長も理事ポストに格上げした。武田氏の異動もその一環なのである。
「武田さんは災害時や国政選挙などの時、その落ち着いた仕切りぶりには定評がありますから、大阪強化の切り札として送り込まれたんです。大阪では、局長に次ぐ事実上のナンバー2ですよ。現在は局次長格のエグゼクティブ・アナウンサーですが、6月の幹部人事で局長格に昇格して、経営会議などにも出席するようになるでしょう。アナ出身で初めての理事を約束されたようなものです」(NHK関係者)
今週から昼の「列島ニュース」と金曜夕方の「ニュース きん5時」が、武田氏の担当で大阪から放送されている。これは、緊急時のリハーサルも兼ねているのだろう。