渡り合える「強さ」で拭い去った夏目三久の「有吉の壁」
この番組で、重要なアクセントになっていたのは間違いなく夏目だ。写真週刊誌の報道をきっかけにフリーに転身して間もなく。当初は「毒舌」な2人のアシスタントなんだから、まだスキャンダラスなイメージのあった彼女がピッタリだろうというような、これまた安易なキャスティングと思われた。
しかし、彼女はそんなタマではなかった。最初の頃は「収録が終わると頭痛がするんですね。呼吸ができてないんですよ。酸素不足になっていて」(TBS「サワコの朝」17年4月22日)と苦しんでいたそうだが、次第にその“本性”を現していく。
2人の意見に決して流されず折れず「違いますね」と笑顔で否定するのも珍しくなくなり、「楽屋挨拶は不要」と2人に拒否されても「私はさせていただきます」とかたくなに言ったかと思うと、途中から行かなくなる。その理由を問われると、ふてぶてしく「面倒くさくなった」(「怒り新党」12年4月18日)と言い放つ。
マネジャーに手作りカレーを差し入れすると言う夏目が、2人から「迷惑だ」と批判されると、「たぶんですけど、お2人がクズなんだと思います」(「怒り新党」13年1月30日)と吐き捨てる。さらに有吉には「拭えない壁」を感じると言うが早いか、「よく人に被害者意識が強すぎるとおっしゃるじゃないですか。あれ、自分ですよね」(「怒り新党」12年7月4日)と、いきなり本質を突いていく。
そんな有吉の「壁」を拭い去ることができたのは、マツコを含めた2人と渡り合える“強さ”を持った夏目三久だけだったのだ。