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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

玉城デニー知事が招待しなくとも菅首相は沖縄に慰霊に行くべきだ

公開日: 更新日:

 大本営は沖縄人を差別していたに違いない。今も国民の多くはそうじゃないのか。ゲリラ抗戦は23日以後も続いた。だから、日本軍司令官たちが自決した日を、慰霊日で休日にするなんておかしいだろうと反対する県民たちもいる。沖縄が死滅したのじゃないのだからと。

 政府の首脳の方々よ、(そして、今日もスマホ片手に渋谷のスクランブル交差点を歩いてる若者たちもだが)、県民の4人に1人が殺されたこの沖縄戦をどこまで知っていることだろう。昭和20年4月1日、米英軍は沖縄本島に艦砲射撃と共に上陸作戦を開始し、3カ月間、死闘は続き、最後の掃討戦が終わったのは7月初めだった。9万何千人かの犠牲者たち全員を弔う日はいつなんだか。戦艦大和が沖縄へ海上特攻に向かう途中で海の藻くずとなったことだけ語られるだけではどうしようもない。

 くどく言うが、沖縄戦であまたの住民を巻き添えにした時の大本営政府に成り代わり、心から慰霊したいのなら、首相なら大臣ら有志を何人でも連れて飛んでいくべきだったのだ。玉城デニー知事が感染拡大を憂慮して招待してくれなくてもだ。自前の五輪強行力に倣って、ついでに米軍基地に出向いて、沖縄人の「安心安全」のために辺野古の代替基地工事はもうやめますと、しっかり基地解体宣言でもしてきてはどうだったんだ。

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