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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

ローカルな往年のプロ野球選手と花の銀座の人気ママの取り合わせの妙

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 鳴り物入りで阪神タイガースに入団すると、ルーキーイヤーから右翼手としてレギュラーに定着。2リーグ制初のリーグ優勝に貢献し、東映との日本シリーズでは全7戦に5番打者として出場。甲子園での第2戦では3安打の猛打賞。同じく甲子園での第7戦では延長十回に同点打を放つなど、シリーズ通算34打数11安打5打点と大活躍。63年のシーズンではベストナイン(外野手)に選出され、3年連続オールスターゲームに出場。71年には1000安打を達成。強肩好守にも定評があり、67~73年の最多連続守備機会無失策の日本記録を更新している。

 監督・金田正泰との確執により、福岡に本拠地を置く太平洋クラブライオンズ(現・西武ライオンズ)に移籍後も、主軸打者として活躍。日米野球に選出された際は当時2度もサイ・ヤング賞を受賞したニューヨーク・メッツのエース、トム・シーバーから2安打を放つなど勝利に貢献。76年には1500試合出場。阪急(現・オリックス)移籍後も78年の引退まで代打の切り札として恐れられた。

 直接本人に取材をしたわけではなく、断定はできないのだが、これら客観的事実を見るにつけ、60年代に山口洋子と恋仲にあったプロ野球選手とは藤井栄治である可能性は高いのではないか。山口洋子が「西武ライオンズ私設応援団長」を自任しながら「それでも、私の一番の贔屓は阪神」と終生言い続けたのも論拠のひとつかもしれない。

 しかし筆者は、あるプロ野球OBから別の話を聞いた。

「いやいや、洋子ママがほんまに結婚まで考えたのは、また別や。その前に結婚寸前までいった大本命がおったんや」(つづく)

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